農林水産省が厚生労働省と連携することで農業にも福祉にもメリットになる取り組みとして考えられたのが農福連携です。
農福連携によって「農業」と「福祉」双方WINWINの関係となるのではないか、
ここが大きなポイントとなる新たな取り組みです。
2018年、農山漁村振興交付金を受けビニールハウスでトマト水耕栽培に挑戦することとなりました。
改めて・・なぜ農福連携でビニールハウストマト水耕栽培なのか?
郡上市の農業は高齢化により、担い手不足・人手不足が深刻化。
耕作放棄の田畑が増え原野にもどった土地が目につきます。
耕作されない田畑が増えたことで猿・イノシシ・鹿などの動物が人家周辺にまで出没。
稲作や果樹、農作物に大きな被害が出いてます。
また、災害に弱い地域になりつつあります。
異常気象の影響が大きいですが山林・田畑が荒れたことで治水力・保水力が弱くなっていることが被害をまねいているように思います。
冬でも出来る農業を
降雪の多い地域でもある郡上は冬は農業が出来ないんですね。
ならば、付加価値を付けて売れるものを創ろう・・・と考えました。
ビニールハウスによるトマト水耕栽培なら冬場でもできて、加工することで商品価値も上がるところに着目したのです。
楽しみとやりがいがもてる農業を!
稼げる就労支援の場をもっと増やすことの必要性を感じています。
まずは、2人の利用者が従事。
工賃30,000円の確保を目標にした就労支援に取り組みます。
3Sシステムによるトマトの栽培
通年の仕事を確保し工賃をアップさせるために、平成30年度農山漁村振興交付金を受けて、夏秋トマト隔離型培地耕(3S)システムによるトマトの栽培を始めるため、準備を進めています。
3S(隔離型培地耕)システムとは
岐阜県農業技術センタ-が開発。
夏秋トマト栽培に適した、安価で多収穫できる栽培システムなんです。
どういうものかというと・・
- 不織布のポットに1株ずつ栽培するため土壌から隔離され、病害リスクが低減
- 草姿のスリム化により密植栽培できる!
- オリジナル自動給液システムで養水分を管理。
技術指導を受け勉強中
岐阜県中山間農業研究所(中津川市)や、3Sシステムでの栽培農家・岩原農園さん(多治見市)等へ視察、技術指導をうけに行き、勉強中です。
■中山間農業研究所
2019年1月24日
■3Sシステムでの栽培農家、岩原農園さん
2019年2月9日
■てしお夢ふぁ-むさん
2019年2月14日、ミニトマトや葉物野菜の水耕栽培に取り組んでみえるA型事業所「てしお夢ふぁ-む」さん(桑名市)では、作業の手順や気を付けること等を学んできました。
■ポカポカファームさん(千葉)
2019年2月20日、千葉県八街市にあるポカポカファームさんはコリアンダーを栽培している農業生産法人です。
ポカポカファームさんの活動について話をうかがいました。
タネの植え方を習いました。タネが細かくピンセットでつまむのも難しい
水のやり方のコツを教わりました。
低コスト耐候性ハウスを設置
新たに、広さ28,4坪の低コスト耐候性ハウスを設置しました。
250本の苗2月末に定植。6月初収穫の予定です。
初年度の売り上げ目標は125万円。
2人の利用者と共に頑張っています。
ぶなの木福祉会の農業への取り組み
冒頭でもありましたが高齢化により田畑が荒廃。
借りやすかったことから畑作業を始めました。
試行錯誤の日々、荒れた田畑でサツマイモやジャガイモ、ネギを作り、朝市に出荷できるようにまでなりました。
就労支援のために、使われなくなった椎茸栽培工場を譲り受け、菌床椎茸の栽培も始めました。
なかなか難しく上手くいかない毎日でしたが、今現在は肉厚で美味しいとなかなかの評判です。
冬場もできると取り組み始めたのはビニールハウスでの水耕栽培だけではありません。
コンテナによるベビ-リ-フの栽培を始めました。
でも野菜の価格は安く、「労多くして益少なし」・・・
これが農業の現実!でした。
そこで栄養価を多く残せる低温減圧乾燥機を購入し、切干大根や干し芋などの乾燥野菜を商品化。
素材の香りと美味しさを楽しめる商品として付加価値をつけました。
また、粉末にして健康食材として売り出す取り組みも進行中。
耕作面積を増やし桑、ヤ-コン、菊芋を栽培しています。
地域の人たちは皆な、農業に関しては大先輩。
私たちが取組むことが地域の活性化にもつながらないだろうか?
ひとつ、そしてひとつと積み重ねてきたことが、力になってビニールハウスのトマト水耕栽培にになっても挑戦。
農福連携の助成金で2019年なんとかビニールハウスを設置するまでに至りました。
全てはこれからです。
画像の人物は岐阜大学の大場先生、色々と技術指導をしていただくことになりました。
これからの展開は活動日記で報告してきますのでお楽しみに~☆